8月30日に第14回WOMANウェルネスライフ研究会「働く女性の健康支援、実際どうやってる?~現場からの実践報告」が開催されました。
今回もMika Masakiさんにレポートしていただきました。
講座の詳細はこちらをご確認ください。
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最近、世の中では「健康経営」という言葉をよく耳にするようになりました。産業保健の分野でも「女性の健康づくり」が注目を集めています。でも実際のところ、「誰に、どうやって伝えたらいいのか」「支援の場をどうやって得ればいいのか」と、立ち止まってしまうことも多いのではないでしょうか。
今回の研究会では、そうした悩みを出発点に、企業で働く一人の保健師として、自分自身が歩んできた道のりを振り返りながら、どんなふうに企画し、どう伝えてきたのか。その実体験を聞ける、ちょっと背中を押してくれるような時間となりました。
第1部 実践報告「働く女性の健康支援 実践報告〜弊社での取り組み」

●基礎ゼミからスタートし女性特有の健康の知識を深める
実践報告の発表者は、産業保健師の中谷芳歌氏。中谷氏は自己紹介から始め、北九州市出身で幼少期は病弱だったこと、叔母が企業の保健師として働いていたことが自身のキャリア選択に影響したことを語りました。看護師として横浜市立大学の内科病棟で勤務した後、三重県の工場で保健師として働き始め、その後転勤や結婚を経て現在の会社に至るまでのキャリアを紹介しました。
その後、中谷氏は2014年に加倉井さおり氏の健康教育の基礎ゼミに参加し、健康教育について学び始めました。女性の健康については難しいテーマと感じていましたが、様々なセミナーや研究会に参加することで知識を深めていきました。特にウェルネスライフ研究会の発足後は、プレコンセプションケアやHPVワクチン、骨盤底筋トレーニングなど、様々なテーマについて知識を得たこと、そして女性ホルモンの影響などが女性の生き方やキャリアに影響を与えることを学んだと述べました。
●自らの“営業活動”で勝ち取った健康教育の場
中谷氏の勤務先の会社は、男性が多く、女性は全体の1割程度ですが、会社は2015年に「くるみん」(子育てサポート企業)の認定を受けおり、女性の産休育休取得率や男性の育休取得率が増加していることや、健康経営優良法人の取得を機に、プレコンセプションケアなど女性の健康について健康教育を取り入れる必要性を感じていたそうです。
そこで中谷氏自ら“営業活動”をして、毎年人事部門が主催し、性別年齢を問わず誰でも参加できる「育児とキャリアの座談会」に30分の健康セミナーの枠を獲得。ただ30分は短い。様々なテーマを扱いたかったのですが時間的制約があり、非常に悩んでしまい、加倉井氏にコンサルティグを依頼しました。加倉井氏からは、大前提して、誰も傷つかない内容にすること、そして話す立場としてのあり方、個別対応の時間を取ることなど、企画の立て方、心持ちについての助言を受けたことが紹介されました。
・具体的な企画内容

事後アンケートでは「プレコンセプションケアという言葉を初めて聞いた」「女性特有の健康の話や産後うつなど普段聞きにくい話が聞けてよかった(男性から)」「家事と仕事を両立には自分を責めすぎないことが大事だと学んだ」などの嬉しい感想が寄せられ、今年度も継続して開催されることとなりました。
●2時間の女性の健康講座の企画実施から学んだこと
2025年には、東北の事業所から、女性事務職が集まる年1回の機会に、女性の健康講座の依頼がありました。内容は「休まないための健康のあり方」というテーマで2時間の健康講話で、参加者が悩みを相談できる機会にという要望でした。事前アンケートで参加者のニーズを把握し「私らしく健やかな毎日を目指して」をテーマに、「女性ホルモンと月経」「更年期と女性ホルモン」「セルフケア(実技:セルフウェルネス・タッチケア®
)」の3つの観点から話をすることとしました。
中谷氏は女性の健康教育で工夫した点として、グループワークの実施やメンチメーターを使い自分の健康・パフォーマンスを点数化、子宮の仕組みの視覚的な説明、更年期指数のチェックシートの活用、統計データの見せ方などについて紹介しました。
なかでも、はじめに行った「自分の体調を話し共有する」グループワークは好評で、参加者からは時間が足りなかったという声もあり(それほど盛り上がったということですが……)、グループワークでの時間配分・役割指示の重要性を実感したそうです。
また、パフォーマンスの測定結果では、意外にも多くの人の点数が低いという結果に、参加者自身も驚きがあり「自分と同じように思っている人が他にもこんなにいるかと思って驚きました」「自分だけが体が弱いと思い込んでいましたが、それぞれつらい思いをされながら頑張っていることを知りました」などの声があったそうです。
他にも、子宮・内膜を図解で示したり、基礎体温とホルモン相関関係について繰り返し提示して重要性を強調したりしました。伝え方として、以前に高尾美穂先生の講演でインパクトがあった「下血はマヨネーズを絞るよう」といった例えを、痛みの表現に使うなど、参加者にわかりやすく、そして実感してもらうことを意識したそうです。
事後のアンケートからは、新しい知識を得たことや、共感や感謝などの感想、そして参加者からこの講座の内容を多くの人に薦めたいという声をもらったことを報告していただきました。
発表のまとめとして、中谷氏は女性の健康教育に取り組むまでに10年の学びの期間があったこと、加倉井氏や研究会での学びが実践に生かされていることへの感謝を述べました。女性の健康は奥が深く、簡単に話せるものではないが、コツコツと学び続けることの重要性を強調しました。
第2部 情報交換「どんな取り組みをしている? 女性の健康支援」

●中谷氏の発表への感想と実際の取り組み
会議の後半では、参加者がブレイクアウトルームに分かれて自己紹介、中谷氏の発表への感想を共有しました。
各ルームからの報告では、女性でありながら自分の体について理解が不十分であること、年齢や個別の悩みが多岐にわたるため整理して伝えることの難しさ、中谷氏の健康教育の場を「勝ち取っていく」姿勢への感銘などが挙がりました。
次に、各企業で取り組んでいる保健師たちから、ダイバーシティ推進プロジェクトの一環として、健康相談窓口の設置と女性の健康教育を実施したことなど実践例も紹介されました。。具体的には、女性限定のメールレターの定期配信や、国際女性デーに合わせた高尾先生による講演会の開催などを紹介。講演会は男性も含めた全社員を対象とし、特に管理職にも参加を促したことのお話がありました。
参加者は再度ブレイクアウトルームに分かれ、それぞれの女性健康支援の取り組みについて情報交換を行いました。報告では、健診日に合わせた乳がんモデルの触診体験や啓発ブースの設置、昇格者研修での女性の健康管理についての講義、オンラインセミナーや動画配信による情報提供などの事例が共有されました。女性の健康は女性だけでなく全員が対象であるという認識の重要性も指摘されました。
●女性の健康支援を“全ての人”へ届けるために
加倉井氏からは、女性の健康支援は、全ての人に届けていくことが重要であり、男性や上司、パートナーも一緒に学べる機会を作ることや、適切な情報提供、相談窓口の設置などが重要なポイントであると強調しました。
また、あらゆる角度から女性特有の健康課題を盛り込んだ健康教育の機会を作っていくことの重要性も述べました。ニーズや課題の把握のためのアンケート実施やデータ分析の重要性、デジタルツールの活用などについても言及されました。
最後のブレイクアウトセッションでは、参加者が今日の学びから感じたことや今後のアクションについて話し合いました。そして、次回の研究会の案内として、2026年2月14日に高尾美穂先生の登壇が予定されていることが告知され、終了となりました。
今回の学びを振り返って
今回の発表では、保健師として働きながら学び続けてきた中谷氏の姿に、多くの参加者が共感し、自分自身を重ねたのではないでしょうか。中谷氏の思いや行動が、今日ここに集まった一人ひとりの現場からも、広がっていくのだろうと感じます。
また、中谷氏の勤務先からは人事部の方も参加されており、一般的には難しいとされる健康管理部門と人事部門の連携が、しっかりと築かれている様子もうかがえ、「働く人の健康を守りたい」という思いが、組織全体で共有されていることに深く心を動かされました。
(レポート:Mika Masaki)
【2025年度WOMANウェルネスライフ研究会】
第15回 2026年2月14日(土)14時~16時
<7周年記念講演>
メディアでも大活躍の産婦人科医、高尾美穂先生に「更年期の健康支援を考える」をテーマにご登壇いただきます!

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