WOMANウェルネスプロジェクトメンバーのhitomingです。私はIT企業の保健師として20年来働いています。この20年間に女性を取り巻く労働環境も大きな変化を遂げています。
女性活躍推進法の施行と働く女性の増加
2016年4月に女性活躍推進法が10年間の期限のある時限立法として施行されました。
この法律の成立には、日本の職場における男女格差が大きいことが背景にあり、経済分野におけるジェンダー・ギャップ指数が149か国中117位(2018年)と低く、特に女性管理職の割合は国際的に低く問題視されています。
女性活躍推進法は、女性が自身の意志によってキャリアを構築し、スキルを発揮することが可能となる社会づくりを目指す法律です。
令和元年の働く女性の労働力人口は3058万人となり労働力人口総数に占める女性の割合は44.4%となり、年々労働人口は増加しています。
働く女性が増える中、結婚・出産・介護を通して女性の役割は大きく、また女性ホルモンに支配されて、毎月の生理や更年期の体調変化等など、男性とは明らかに異なる性差がある中で、本当に女性が働きやすい環境を整える為に、保健師としてどのような支援が出来るのかを女性の声を聞くたびに考えています。
保健師として、働く女性を支えたい
保健師は従業員のこころとからだの相談をうけるファーストライン。健康相談室では、多くの働く女性の声をききます。女性の悩みは世代別に抱えている問題も違い、実に様々です。
例えば、30代後半の女性。
今まで仕事を優先して、いざ子どもが欲しいと思ってもなかなか妊娠に至らず、職場の理解を得られにくい中での不妊治療。毎月来てしまう生理に心がおれそうな日々・・・
ある子育て中の40代のマネージャー
「こんな忙しそうな私を見てる後輩たちは、幹部社員には、だれもなりたくない」と思いますよ。。。。。。
と言いつつ懸命に働いている。
40代後半に更年期症状もかさなり。自分の後輩だった男性が上司になり、自分に自信を無くしてしまう女性・・・・
結婚を考えていますが、今の職場では、結婚して子供を産み育てる自信がなく転職を考えています。仕事が忙しく、生理が不順で生理痛で仕事を休んでしまう事が時々あります。。。
等々、働く女性の悩みは様々です。保健師として話を聞く中で、こんなに一生懸命働いている女性たちをなんとか支えたい、という気持ちがいつもあります。
こんなに頑張っている女性が、自己肯定感を持てなく、自信を失ったり、仕事と様々な役割の中で葛藤することも多い現状をどのような解消すれば、もっといきいきはたらけるのか・・・・
仕事のキャリアを積んで、家庭をもち子育てをしながら頑張っている、
仕事と自分自身の人生をいきいき過ごしている自分を、もっと自分自身で認めて元気でいてほしいと思う日々です。
いろいろな制度はできても、それを気持ちよく使える職場の理解や空気感の醸成はどうすればできるのか・・・
女性が働きやすくなれば、むろん男性社員にとっても働きやすい職場になるとおもいます。
働く女性に向けての様々な啓蒙活動や支援
2010年から小さな歩みですが、3月の女性の健康週間に健康教育を開催したり、人間ドック当日に女性の健康ついてのセミナーを開催したり、健診のコースに乳がん検診の触診モデルをおいたりしながら、定期健康診断の待ち時間に女性の健康についての情報をながしたり、啓蒙活動を続けています。
健康経営が始まってからは、女性だけでは無く男性も含めた全社員にむけて、イントラネットで健康教育を配信しています。
効果的な方法は一つではなく、様々な角度から支援を行っていきたいと思います。
まずは女性自身が自分自身の身体の状態や女性の生理・女性ホルモンの成り立ちの知識をしり、女性ホルモンに翻弄されないで、自分の身体をいたわりながら、仕事のパフォーマンスを維持出来て、自分自身を認めて元気に働ける為の支援を、これからも模索していきたいと思っています。
保健師 hitoming(スタッフ紹介ページはこちら)
第6回WOMANウェルネスライフ研究会
「働く女性の健康支援~新常識!プレコンセプションケアとは?」
すべての女性の「健やかに、自分らしく、幸せに生きる」を支援するために、職域を超えて様々な立場の方々と繋がり、学び、実践していくための研究会 WOMANウェルネスライフ研究会では、様々な講座等を開催しています。
9月4日開催予定の研究会では、産婦人科医が専門家の立場から、今の時代に必要な働く女性の健康支援をプレコンセプションケアの視点からお話いただきます。
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