父親の死をきっかけに医療に興味を持ち、紆余曲折を経て保健師へ
Q1.これまでのライフ&キャリアストーリーを教えてください
高校1年生の時に父親をクモ膜下出血で突然亡くし、医療に興味を持ちました。当時は脳外科医にならねば!と思いましたが、物理と数学が惨憺たる結果で…(笑)。よく考えたら医者より看護師が向いていそうだと前向きに考え、看護師を目指しました。
看護短大を卒業し、大学病院小児外科病棟で2年勤務しましたが、養護教諭(保健室の先生)になりたいと思い、進学しました。
養護教諭の資格を取ったものの教員採用試験に落ち、実は腰掛のつもりで産業保健師になりました。しかし、この仕事の意義とやりがいを感じ、かれこれ20年以上経ちました。
今思えば、看護師を目指したきっかけの父の死も、働く人の健康という意味では産業保健の分野ですし、きっかけからしたら最も適した仕事にたどり着いたのではないかと思っています。後付けですが(笑)
最初の職場は社内診療所で、フィジカル疾患対応が中心でした。メンタル対応は臨床心理士と産業医が対応していたのですが、今後はメンタルヘルス対応が重要になると思い、産業カウンセラーの資格を取得しました。
その後、メンタルヘルス対応が中心の会社に転職し、数多くのケースを経験しました。しかし、保健師の立場での対応に限界を感じて人事の立場で対応したいと思うようになり、社会保険労務士の資格と労働衛生コンサルタントの資格を取得しました。限界を感じたのと、正直なところ、保健師の仕事に飽きてきたのもありました。しかし、そんな時に加倉井先生の保健師向け研修を受け、保健師にもまだまだできることがある、まだ何もできていない、と思いなおし、その後も保健師として仕事を続けています。
もっと他の企業も見てみたいと思い、転職し、さらにその後、以前の職場の先輩から、健康相談室の立ち上げをする保健師を探しているけれどやってみないか?と声をかけていただき、今の会社に転職しました。
出産は38歳で、5月生まれの娘が5か月になる10月に職場復帰しました。社内保育園があったので、半年間は一緒に出勤し、お昼休みに授乳し、一緒に帰るという生活をし、4月に地元の保育園に入ることができました。
これまで、子どものことで急な休み等もありましたが、理解のある職場ばかりで、子どもがいることによる苦労はあまり感じずやってこられました。
仕事と育児、両立のコツは楽しむこと!目的を明確にして正しい努力をして、人(モノ)の力借りよう
Q2.仕事と育児の両立についての工夫や考え方を教えてください
仕事も育児も楽しむことだと思います。仕事は苦行、育児は大変、と考える人もいますが、私にとってはどちらも楽しいこと!です。そもそも楽しいことをしているので、辛いこともあるのかもしれませんが、記憶に残りません。(笑)
具体的な工夫としては、目的を明確にして正しい努力をすること、人(モノ)の力を借りることです。自分の目的に対しての正しい努力はなんだろう?と考えることで、無駄なことをしなくて済みます。仕事では、取り掛かる前に目的やゴールを確認する等、育児では、例えばイラっとした時に「私は、叱って何を達成したいんだろうか?本当はどうしたいのだろう?」と考えると、叱ることが最善の努力ではないことに気づき、もっと良い方法を考えて行動できます。(もちろん、冷静になれない時もあります(笑))
また、自分だけではできないことや、無理や我慢が必要になることには、夫や娘、職場の人、近所の友人、遠くの親族、行政サービス等を頼ります。特に家事は、掃除・洗濯・食後の片付けを、ほぼ夫が担っています。以前は自分で何でもやりたがり、夫のやり方にケチをつけるタイプでしたが、夫の斬新なやり方が良かったこともあり、任せてみようと思いました。自分のやり方が必ずしも正しいわけではないことに気づいた瞬間でした。職場でも、家庭が大変な時は上司に大変だと伝え、助けてほしいときは近所の友人に声をかけ、自分に合うサポートはあるかな?と自治体のホームページを見たり、ママ友に聞いたりします。最近は、娘のお手伝いも頼りになり、洗濯物たたみ等を頼んでいます。(とはいえ、お手伝いをやらない日の方が断然多いです)おかげさまで、子どもが2歳の時から宿泊出張にも行けています。
モノの力を借りる点では、食洗器の他、機能性の高い調理器具や保存容器を選んで使用しています。自分にとって使い勝手の良いものは、少し値段が張ってもストレスなく長く使えるのでお得です。出張の時は、ビデオ通話で娘と話すこともできるので、寂しさも少し和らげることができているかな?と思います。
講座で作成したビジョンコラージュを日々意識して行動する
Q3.WOMANウェルネスプロジェクトの講座を受講して、どのようなことに気づき、また変化しましたか?
女性は女性としての強みがあり弱みがあることが理解でき、ではどうするのか?を学び、考えることができました。女子高で学び、看護師も保健師もほぼ女性なので、女性も男性と同じ・対等でないといけないような気がしていました。しかしそもそも身体の作りから違うので、それぞれの良さをのばし、足りないところを補い合えばよいのだと考えられるようになりました。よほどの怪力の女性でない限り、重いものを持つのは男性の筋力の方が適しているわけですから。そのほか、生涯を通した身体の変化を学んだことで、その時が来ても慌てずに済むだろうと思います。
ビジョンワークショップで作成した3年後のビジョンコラージュは、その時にありたい姿をビジュアルで表すことができるので、壁に貼って毎日意識することができました。1日どころか1年もあっという間に感じる今日この頃なので、視覚で3年後を見据えて今をどう過ごすのか考え、行動したいと思っています。
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食事・運動・睡眠を大切にし、無駄に怒らない
Q4.ウェルネスライフで心がけていることはなんですか?
食事・運動・睡眠を大切にすることです。家の食事はできるだけシンプルにし、飲み物は基本無糖、歩けるところは積極的に歩くこと、子どもと一緒に布団に入ること等をしています。足腰を鍛えたいと思い、数か月前から毎日5分のスロースクワットを始めました。骨盤底筋群の衰えを感じることも多くなったので、そこに効く運動も加えたいなと思っています。
そのほか、定期健康診断と婦人科健診は毎年必ず受診しています。
あとは、無駄に怒らないこと。怒りを感じた時、捉え方を変え、相手の立場で考えると、怒る必要などないことに気づくことも多いです。
働く人の健康を守りつつ、自立支援にも関わっていきたい
Q5.これからのビジョンについてお聞かせください。
仕事では働く人の健康を守っていますが、実際にはその先の家族の健康や幸せも守っていると思っています。働く人(世代)が、心身共に健康で仕事や身近な人との人間関係を通して満たされる世の中になり、満たされた大人が子どもを育てることで、子どもも満たされながら成長していく、そんな世の中を実現したいです。これまでは大規模な企業に所属して産業保健の仕事をしてきましたが、日本の企業の多くは中小零細企業なので、いずれは小規模な企業の従業員の健康を守れる仕事をしたいと思っています。
また、仕事とは別に、児童養護施設の学習ボランティアに関わっていたことがあります。活動を離れて5年以上経つので、そこで当時関わっていた子たちの多くは高校を卒業しています。高校を卒業し、進学しなければ18歳で施設を出て自立することになりますが、親を頼れないケースが多いので、施設を出た後の子たちの居場所を作り、支援できるようになりたいと思っています。
(インタビュー:加倉井さおり)
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