留学から帰国後、教員として働きながら5人の息子の母へ
Q1. これまでのライフ&キャリアストーリーを教えてください
留学から戻ってきた大学生の時に、学生・社会人・日本の英会話スクールで働いている外国人講師たちが参加する「日本文化を英語で楽しむサークル」を作りました。
ホームシックになってしまう若き外国人講師たちに、少しでも楽しい日本生活を送ってもらいたい一心で、みんなで七夕祭りへ行ったり、箱根で紅葉狩りや温泉に行ったり、雪で遊んだり。また、平日は安くて美味しい日本の食を紹介して楽しんでもらったり、一緒にスーパーへ行き自炊したり。日本の文化を英語で説明しながらお相手の文化にも触れ、英語で交流し一緒に過ごすことを目的に、多くの方に参加していただきました。
その頃の私は就職活動がうまくいかず、これが最後の賭けになるかもしれないと思って挑んだ教員採用試験にまさかの合格。高校まで学校があまり好きではなかった自分が、教員になる日が来るとは正直思っていなかったのでとても驚きました。
大学4年生の時に思いつきで結婚。新卒新採用の教員として仕事をしていく中で、わりとすぐに子を授かり、数年おきに兄弟も生まれました。仕事も家庭も、自分の身に起こる全ての経験が目に鮮やかで世界が輝いて見えていたある日、元気なはずの実母の末期がんが見つかりました。その時私は4人目の妊娠がわかったばかり。母にはこの子の存在は告げずに介助をし、看取ろうと決心しました。この世に未練を残させたくなかったのです。
およそ半年の介護ののち母を看取り、お腹の子も無事に生まれ、その後また息子が生まれたことで、私は息子5人を持つ母となりました。
教員だからこそお仕事のお休みも長くもらえましたが、気まずさが全くないかと言えばそんなことはなく、近所の学校から聞こえてくるチャイムの音にいつもドキドキしていました。
本業はおかあちゃん、副業が教員、と胸を張って言いたくて、ここ数年はずっと非常勤講師として教科指導に専念しています。大学時代のサークルから培ったホスピタリティや、老若男女問わず会話を繋ぐコミュニケーション力、育児経験から得た保護者としての視点も全て、教員としての私をつくる要素になっています。
5人の育児に必要な精神的ゆとりを持つための考え方
Q2.仕事と育児の両立についての工夫や考え方を教えてください
家族の理解なしでは成り立たない毎日です。コロナ以前は主人も忙しく、遠くのオフィスに出勤していて、大人が私1人なのに対し、子どもたち5人。彼らと時間を共有して共存している、そんな感覚でした。
育児を私→息子と考えず、息子→私と捉えています。どういう考え方かと言うと、こちらから何かをやりなさいと指示するよりも、息子の中にある考えを先にアウトプットさせて、それから私が声かけや必要な手助けをする、ということです。こうすることで比較的癇癪を起こさずに、私にも精神的なゆとりが生まれます。そう、私の気持ちや心、脳のキャパシティに余裕がなければ、そもそも男の子5人と共存できません(笑)。
長男が小さい頃は、主人と私どちらの祖父母の協力もない中で、担任と部活の顧問と保育園の送迎、その全てを頑張ってこなしていました。経験ある方が多いと思いますが、送りに行けば「保育園イヤ」と泣かれ、迎えに行けば「まだ帰りたくない」と泣かれ。帰りに山のような荷物を持ったままスーパーに寄るのも、帰宅してからも泣かれっぱなし。
時には仕事に疲れて一緒に泣きながら何もせず眠っていました。長男以外はあまり外で大泣きすることがなくそんなに手のかからない子たちでしたが、それでも振り返ってみれば、やはり大人の手が足りないことが何より大変でした。
それから少しずつネットスーパーの普及やママ友の支えもあり、辛すぎる時期の記憶はあまりないのですが、とにかく毎日無事にすやすや眠る寝顔を見ては自分を褒める毎日でした。もしかしたら、傍目にはただ楽しんでいるようにうつっていたかも知れません。それはずっと弟か妹が欲しかったから。小さい子が泣いて訴えることも、「良い子」でいなくちゃいけないと思っていた真面目な私にとっては、興味深く面白かったです。
子どもの性別に関係なく、たとえ時間がかかったとしても、家事は全て子どもたちとやりながら生活する、というのが夫婦共通の考えだったのが良かったのかもしれません。息子たちは小学生になった頃から洗濯も料理も、とても上手にこなします。見張っていると言いたいことがたくさん見つかってしまうので、なるべく視界の真ん中に入れないようにしながら、でも感謝の言葉を添えるようにして、と私も子ども達に成長させてもらったかもしれません。
昔から今も続けている毎日の習慣としては、眠る前に翌日にやらなければならないこととやっておきたいことを、仕事もプライベートも全て混ぜてリストにすることです。朝起きて、それらの順番や大体の時間をイメトレしてから起き上がります。コロナ禍以前はアルツハイマーになった祖母の介護と、幼稚園&保育園のダブルお迎えに上の子たちの習い事の送迎、全てを分刻みでこなしていたのが今は遠い昔です。5年近く経ち、やっと懐かしいと思える余裕が出てきました。
ビジョンワークで気付いた潜在意識と顕在意識のギャップ
Q3.WOMANウェルネスプロジェクトの講座を受講して、どのようなことに気づき、また変化しましたか?
一緒に参加した皆さまのお話から刺激をもらうはもちろん、ビジョンワークを実際に行ってみることが目から鱗でした。想像力豊かな私ですが、雑誌や旅行パンフレットをパラパラ見ている中で目にとまった写真や絵を切り抜きながら、だんだんわくわくして心が軽くなっていくのを感じました。
日頃から短期目標を設定しているつもり、手帳や携帯メモを活用して文字にしているつもり、でしたが、思いのままに切り貼りをしていくうちにそれらのイメージが具体化していくのを感じました。
時間やお金の制約がなかったら、自分はどうするのか、どうなっていくのか。そこから自分の潜在意識がようやく顕在化していく、あるいは潜在意識と顕在意識のギャップに気付いて一致させていくことができました。
頑張ってるつもりもなく頑張り続けていた私が、少女のように感覚を大切にして生きていきたいんだと気付いただけで、自分に優しくなれましたし、また加倉井先生のお話からも「自分を大切にすること」を教えていただきました。
割と好き勝手やっているつもりでしたし、無理しているつもりもなかった。知らず知らず全て「つもり」に飲み込まれていた自分を、優しく包み込んで光がさすところへ引き上げる、そんな感覚でした。闘う男性性優位から、感覚的な女性性に戻れた大きなきっかけとなりました。おそらく顔つきや発声が誰から見ても変わったと思います。
「自分が心地よいか」を大切に
Q4.ウェルネスライフの上で心がけていることはなんですか?
楽しいことが大好きで外に刺激を求める一方で、一人で過ごす時間も大好き。なので、自分の心の声を聞き、無理してでも様々なことをこなしたい時期はあるのですが、意識的に予定を詰め込みすぎないことにしています。
また何かの選択に迷ったときは、どちらが正しいか、どちらを選ぶべきか、ではなく「それをした時に自分が心地よいか」を大切にして決めるようにしています。はまり症で飽きっぽい私は、仕事も突き詰めがちなので、楽しい仕事でわくわくを紡いでいくことをいつもイメージしています。
そもそも、(繰り返しになりますが)本業はおかあちゃん、副業は教員、趣味がよろずや、と自己紹介しているので、幸い楽しいと思えるお仕事の話が次から次へと舞い込んできます。そうしてご縁を繋いでくださる皆さまに感謝しかありません。
時間ができたらすぐ、地元藤沢やおとなり鎌倉のビーチへ。1年中裸足になって波打ち際を歩きます。時に目を瞑り、波の音を聞き風を受け太陽の眩しさをまぶたの裏で感じながら、深呼吸。贅沢な「何もしない時間」を楽しみます。
教員としてのキャリア、ボランティア活動、子育てについて
Q5.これからのビジョンについてお聞かせください。
はじめてのビジョンワークから5年。3年後の自分を描いていましたが、ビジュアライズした途端に加倉井先生が仰った通り、ものすごい速さで現実が動き、気づけば1年もかからずあっという間に全てが現実になっていました。
今40代になり、定年までの20年を意識したいわゆるキャリアと、生涯の活動としてやり続けること、女性として在りたい自分について考えることが増えました。
ここ数年は、やりたいこと、求められていること、できること、その狭間で葛藤しつつバランスを取りながら生きていくことを大切にしています。
女性はライフステージの変化で友だちとも距離も変わってくると感じることが多いのですが、その時々で自分の心の声を聞き、周囲の皆さまとのご縁に感謝しながら、やりたいこととやれることをどちらもやっていこうと思っています。
現在携わっているボランティア活動、死産・流産・新生児死をされた家族をケアする『まなざしカフェ』、不登校支援のネットワーク『藤沢こどもの多様な学び応援団』、子育て教育コミュニティ『つみき』、これらの裏方は引き続きできる時にできる限りお手伝いしていきたいです。参加者さまの声を聞くうちに、そして自分から発する言葉に、自分自身が救われると感じることが多いのです。
教員としてのキャリアは、あまり深いこだわりもなく、、、というと語弊がありそうなので補足すると、毎日の1時間1時間、それぞれの授業は文字通り命がけで、大袈裟に聞こえるかもしれませんが残りの命という時間を私と生徒で共有しながら進めているので、いつが最後になっても後悔はない、それぐらい本気でやっています。
定年までこのまま教壇に立つのか、とふと想像すると、もっと多くの子どもたちに学びの機会を持ってもらいたいという想いが強い自分に気付きます。全国で統計の人数より遥かに多いであろう学校を休みがちな子どもたちに、「人と関わることや繋がることはこんなに自分を成長させてくれるよ」と伝わるような関わり方がきっとあるはずだと思っています。
そして、もちろん我が子たちに対しても、今しかないかけがえのない時間を愛おしく感じながら共に成長していきます。自分が歩まなかった人生を、まだ見ぬ景色を見せてくれる。まだまだこれから順番に成人していきますが、それぞれの個性を尊重し、お互いの良いところを素直に言葉で伝え合う家族なので、自信を持って楽しい毎日を過ごしていってもらえたら。私はそれを、縫い物でもしながらニコニコ聞く穏やかなおばあちゃんになる日を楽しみにしています。
HAPPY WOMANインタビューバックナンバーはこちら
大谷愛子さんが受講された「幸せなワーキングマザーになる!ビジョンワークショップ~仕事も子育ても自分らしく楽しむために~」
この講座では、同じワーキングマザー同士での想いや悩みを共有しながら新しい時代を幸せに生きるためのヒントをお伝えして、希望を持ってこれから仕事と子育てを楽しんでいただける内容で毎回好評です。
通常は2日間の講座ですが、今回はビジョンワークショップだけを<オンラインコース><会場コース>で開催を予定しています。
<オンラインコース>と<会場コース>の2つのコースを設けました。
「幸せなワーキングマザーになる!ビジョンワークショップ」
~仕事も子育ても、自分らしく楽しむために~
【オンラインコース】2023年2月23日(木・祝日)13時半~16時半*ZOOM
*3年後の在りたいビジョンを「ライフ&キャリアデザインシート」に記入していきます。
*ビジョンコラージュの作成はありません。
内容:・仕事と子育てを楽しむための4つのポイント
・自分にとって本当に大切なことを明確にしていくワーク
・3年後のワーク&ライフのビジョンを描く(ライフ&キャリアデザインシートに記入)
【会場コース】2023年3月21日(火・祝日)10時~16時 ウィリング横浜
*3年後のハッピーなビジョンを視覚化する「ビジョンコラージュ」を作成します。
内容:・仕事と子育てを楽しむための4つのポイント
・自分にとって本当に大切なことを明確にしていくワーク
・3年後のワーク&ライフのビジョンを描く(ビジョンコラージュを作成)
*事前課題あり「ビジョンシート」
*事前課題のビジョンシートに記入したありたい姿を視覚化できる写真や雑
誌の切り抜きなど材料をご準備いただきます。
(台紙は教材に含まれます)
(ビジョンコラージュを作成している様子)
◆受講料:オンラインコース:8000円 会場コース:12000円(税・資料代込み)
*再受講の方は半額です。
*「仕事も育児も!ハッピーママ入門」を1冊プレゼント
◆講師:(株)ウェルネスライフサポート研究所
代表取締役 加倉井さおり
*下記のお申込みフォームから「幸せなワーキングマザーになる!ライフ&キャリア講座」を選択し、希望の受講日を記載下さい。
※お申込みをご検討いただきありがとうございます。申込時は、WOMANウェルネスプロジェクト事務局を運営している、㈱ウェルネスライフサポート研究所のサイトへ移動します。上の「お申し込みはこちら」ボタンをクリックしてください。
メルマガ登録のお知らせ
WOMANウェルネスプロジェクトの新しい講座・イベント情報をお送りします。
こちらからご登録ください。