女性の「健やかに、自分らしく、幸せに生きる」を支援していきたい様々な職種の方が繋がる場、「WOMANウェルネスライフ研究会」が始動
2018年3月18日(日)にWOMANウェルネスライフ研究会の発足記念講演会を開催し、産婦人科専門医の高尾美穂先生にご登壇いただきました。
テーマは「女性の健康支援をするあなたに、今伝えたいこと~すべての女性に、より良い未来を」。テンポよくエネルギッシュな2時間はあっという間でした。
講演内容
高尾美穂先生のご講演では、次のようなお話をしてくださいました。
病気を抱えながら長生きをする女性が増加
日本人の平均寿命は延びていますが、一方で介護が必要となる女性は多く、病気を持って長生きする時代になっています。だからこそ、いかに健康でいることができるかはとても大切なことです。日々の生活を送る中で、心もからだもちょっと気になる、、くらいの小さな悩みがあるときにその悩みや不安を減らしていきたい。それには早く気づけるかが大切です。まだまだ男性中心の健康診断項目で女性はオプションでの健診項目になっているのが現状です。
月経困難症、月経前症候群(PMS)で悩んだら婦人科で受診を
女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンと月経周期によって女性のからだは大きく変化します。月経困難症で悩む女性も多くなっていますが、我慢しないことが大切です。子宮内膜症の場合もあり、放っておかずに婦人科を受診しましょう。月経前症候群(PMS)で悩む人には低用量ピルも選択肢としてあり、女性のコンディションは自分で選べるということも多くの方に知ってほしいと思っています。
子宮頸がんと乳がんの検診率
子宮頸がんは罹患率も死亡率も年々増えていて20代、30代女性に多く、他国の検診率が70~80%あるのと比べて、日本は42.1%と低い現状です。予防に有効とされるHPVワクチン接種が副反応を懸念して日本では控えられていますが、このままだと益々日本は子宮頸がんの予防で遅れをとることが心配されています。日本産婦人科学会でもHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の早期の勧奨再開を強く求める声明を出しています。
乳がん検診受診率も日本は4割程度で低く、40代後半から50代前半にかけて乳がんにかかる危険は高くなります。毎年検診を受け続けて、早期発見、早期治療していくことがとにかく大切です。
今はもう、がんで死ぬ時代ではなくなっています。
健康で長生きするためにもっとも大切なことは「人とのコミュニケーション」と「社会的なつながり」
女性の人生は繋がっており、元気に長生きするためには、運動をすることやタバコを吸わないことなどの生活習慣も大切ですが、もっとも大切なことは「人とのコミュニケーション、社会とのつな がり」であることを、データを示しながらお伝えされ、私たちにできることは何か、この研究会への意義や可能性も示唆していただいたご講演でした。
講演を終えて
高尾美穂先生の講演は、医師・保健師・助産師・看護師などの保健医療スタッフだけでなく、人事・労務、キャリアコンサルタント、セラピスト、また働く女性としてなど様々な立場の方にとって、「自分の何ができるか」を考えさせていただく大変心に響く講演でした。
皆さんにはグループで自己紹介もしていただき、講演後は気づきなどをグループでシェアいただいて各グループで発表もいただきました。
今回の発足記念講演で、女性への健康支援をもっと本気でやっていこうというお気持ちになった方が多かったことがアンケートでも分かりとても嬉しく思います。
想いを込めて制作したWOMANウェルネスプロジェクトのロゴマークのマグネットも制作(プロの方が1個づつ手作り)
今回は特別に記念として皆さんに「年に1度は健診プラス乳がん・子宮頸がん検診を」のメッセージと共にプレゼントさせていただきました。
子宮頸がん検診の経験がWOMANウェルネスライフ研究会発足への大きな原動力
私は毎年検診を欠かしませんでしたが、2015年3月に子宮頸がん検診で要精密検査となりました。。
保健師として人の健康支援をする立場で、これまでたくさんの方の保健指導をしてきた私ですが、前年までは正常だったので大きなショックを受け、自分と向き合うことになったのです。これまで私は本当に相手に寄り添って支援できてきたのだろうかと思い直しました。毎年健診と乳がん・子宮頸がん検診を受ける必要性もさらに強くなり、またこのように子宮頸がんや乳がん検診などの結果で要経過観察になる方々の不安な気持ちも自分が味わうことで、そのような方にも何か力になりたいと思う経験となりました。
そして主治医の高尾美穂先生のお力添えもあって、この経験を糧に、女性の健康支援に対する新たな想いが生まれました。現在は3か月に1度検査をしながら経過を見ていますが、幸い改善し良い方向に向かってます。
免疫力を高める生活がいかに大事かを考えた時、「愛して、学んで、仕事をする」優先順位の在り方、生き方が大切なのだと再度確信しました。自分のカラダの声を聴くことは自分を愛することです。
そんな私の経験があってのこのWOMANウェルネスライフ研究会の発足でした。記念すべき発足記念は是非高尾先生に!も実現し、当日は胸がいっぱい。私自身の体験をオープニングで初めてお話しました。
私のこの経験が誰かを勇気づけたり、ちゃんと検診を受けようとと思っていただいたり、カラダの声を聴こうと思って下さることに繋がったらと思っています。
WOMANウェルネスプロジェクト
代表 加倉井さおり
(photo:Kayokikuchi)
WOMANウェルネスライフ研究会入会方法と今後の予定
WOMANウェルネスライフ研究会は医師・保健師・助産師・看護師などの保健医療スタッフだけでなく、人事・労務、キャリアコンサルタント、セラピスト、また働く女性としてなど様々な立場の方が、女性の「健やかに、自分らしく、幸せに生きる」を支援するために、共に学び、繋がり、実践する研究会を目指しています。違う立場の方が、集い交流する場は、とても刺激的で新しい視点を得られ、、また多様性理解や新しい発想を生み出すと思っていますのでご興味ある方はぜひご入会ください。
【WOMANウェルネスライフ研究会】
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