こんにちは!
WOMANウェルネスプロジェクトメンバーでシンガポール在住、男の子3人の子育て真っ最中の保健師Sayakaです。
今日は、保健師として海外で医療を受ける際のポイントをお伝えして行きたいと思います。
頼りは自分!自分のからだを知っておくことが自分を守ることになる
海外といっても医療機関へのアクセスやレベルも様々ですが、国を問わず大切なことは、「自身で、症状をしっかり把握し、伝えられること」だと思います。
日本人駐在員が派遣される多くの国では、近くに日系のクリニックがあったり、現地の医療機関であっても会社や保険会社が契約している通訳サービスを受けられることもあります。
それでも、保険により受診機関が決められている、現地の医療体制上、同じ医師に継続受診することが難しい、日本人の医師はいるが専門科の医師は不在といったことがあります。
医療職と同じ言語で直接伝えられればベストですが、例え直接伝えられなくても、これまでの経過、今どういう症状が辛いか、どのような対処を期待して受診したのかを整理できていると、適切な診療が受けやすくなります。
ヒストリーが話せると、適切な診療につながる
筆者も、自身と家族の病歴をもっと把握しておけばスムーズに且つ適切に診療を受けられたと感じたことが何度もあります。
例えば、赴任後の人間ドックで、乳房腫瘤を指摘されたことがありました。
腫瘤自体は赴任前から指摘されていましたが、当時の場所や大きさを現地の医師に正確に示せる結果が手元にありませんでした。日本では経過観察と言われていましたが、現地の医師の診断は腫瘤の摘出という異なる診断。変化の有無も確認できず、また一時帰国して日本の専門医に判断を仰ぐこともできなかったため、現地医師の診断に従いました。
日本では同一医療機関を受診しており、いかに病院の記録をあてにしていたかを実感しました。自身で初めて発見された時からのヒストリーが語ることが出来なかったのです。
国内外を問わず転勤の可能性がある方は、医療機関で発行された検査結果は保管し、当時の担当医の指示内容(経過観察でいいのか、次回の検査時期)をしっかり理解しておくようにしましょう。
また逆に、海外では検査機関とクリニック(ドクターが診察する場)は別の組織なので、レントゲンフィルム等の画像も含め、患者自身に渡され自身で管理することも多いので、保管し必要に応じて医療機関に持参する必要があります。
【適切なヒストリーを話すために準備しておくこと】
・赴任準備が大変でも、医療機関からの検査結果、指示書は大切に保管しておく。
・受診できる医師や病院がいつも同じとは限らないため、自身でいつ、どんな症状があったかをメモしておく。
海外生活で子どもの健康状況を的確に伝えられるおすすめの記録ー母子手帳
お子様の場合、母子手帳をフル活用しましょう。
たとえ翻訳が必要であったとしても、出生時の様子から予防接種の記録まで一冊にまとまっているので大いに役立ちます。
また日本の市町村が実施しているような乳幼児検診を受けられなくても、発達チェックの目安やハイハイができたなどの成長の記録として、筆者も使用しています。
受診の度に医療機関が異なることも多いので、〇月〇日に水痘に罹患、40度以上の発熱といった記録もまとめておくと良いでしょう。
渡航前に英文の診断書を日本で事前に取得しておくことも可能ですが、すぐに発行してもらえなかったり、高額だったりすることもあります。
そこで、自己記入式ですが日本旅行医学会が「安全カルテ」という簡易版の自己診断書を冊子で販売しているようです。必要箇所を医師にも記載してもらえば、入国審査の薬剤証明書としてや英文診断書としても使用できるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
海外で医療を受ける際のポイントとして書きましたが、客観的なデータや記録をとっておくことは納得した医療を受けることにつながります。
日頃から自身のからだにアンテナをはり、症状を整理しておきましょう。
(By:保健師Sayaka)